日本酒用語集
名前を忘れても、工程から引ける
似ていて紛らわしい日本酒の言葉を、「どの工程で何が変わるか」でまとめました。気になる項目をタップすると開きます。
火入れの回数で変わる呼び名 火入れ酒生詰め生貯蔵酒生酒
日本酒は、搾った後(貯蔵前)と、出荷する時の2回、加熱殺菌(火入れ)をするのが一般的です。どちらの火入れをしないかで、呼び名が変わります。
覚え方:名前の「生」が付く位置が、生のままの工程です。「生詰め」は詰める(出荷する)時が生、「生貯蔵」は貯蔵が生。
| 呼び名 | 搾った後(貯蔵前) | 出荷する時 |
|---|---|---|
| 火入れ酒 | 火入れする | 火入れする(計2回) |
| 生詰め | 火入れする | 火入れしない |
| 生貯蔵酒 | 火入れしない | 火入れする |
| 生酒 | 火入れしない | 火入れしない(一度もなし) |
「生貯蔵酒」「生酒」は、国税庁の表示基準に定めのある表示です。「生詰め」は慣習的な呼び方で、蔵によって書き方が揺れます。秋に出荷される「ひやおろし」は、多くが生詰め(火入れ1回)です。
搾りの順番で変わる呼び名 あらばしり中取り(中汲み)責め
醪(もろみ)を搾る時、最初から最後まで同じ味とは限りません。搾るタイミングで、味わいの傾向が変わります。
| 呼び名 | どの部分 | 傾向 |
|---|---|---|
| あらばしり(荒走り) | 搾り始め | 少し濁りがあり、フレッシュで勢いがある |
| 中取り(中汲み・中垂れ) | 搾りの中ほど | 味が整い雑味が少なく、品がいいとされる |
| 責め(攻め) | 搾りの終わり際(圧をかける) | 濃くて力強いが、雑味も出やすい |
法律で定められた区分ではなく、蔵ごとの呼び名です。「中取り」「中汲み」「中垂れ」は、同じ搾りの中ほどを指します。このサイトの例:西之門(あらばしり)、宮寒梅(無濾過中取り)、京ひな(中汲み生酒)。
酒母(酛)の種類:生酛・山廃・速醸 生酛山廃(山廃酛)速醸酛
酒母(酛)は、酒造りのもとになる、酵母をたっぷり育てた「酒のもと」です。育てる間に乳酸をどう用意するか、山卸し(蒸米と麹をすり潰す作業)をするかどうかで、3つに分かれます。
| 種類 | 山卸し | 乳酸 | 期間の目安 |
|---|---|---|---|
| 生酛 | やる | 蔵の乳酸菌で自然に作る | 約4週間 |
| 山廃(山廃酛) | やらない(山卸し廃止) | 自然に作る | 約4週間 |
| 速醸酛 | やらない | 乳酸を添加する | 約2週間 |
味わいの傾向:生酛・山廃は、速醸より酸が出やすく、コクと旨みが厚く、複雑でやや野性的になりやすい。燗にすると映える酒が多く、生酛は端正で繊細、山廃は力強く濃い、と説明されることが多いです。
あくまで傾向で、蔵・酵母・米によって変わります。山廃・生酛は、純米大吟醸などの「特定名称」ではなく、蔵が任意で書く表示です。
※ 用語は順次追加していきます。